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ASEAN RYOKO (No.19) クーデター、どうなるのタイは?

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タイ国軍がタイ全土に戒厳令を発令したのが5月20日。
昨年秋から続くタクシン政権と反政府派の対立を何とか解決させようと軍が調停に乗り出しました。

ところが、その調停も不調に終わり、その2日後の5月22日にクーデターで軍が全権を掌握しました。

さて、「クーデター」とは、フランス語で「国家への一撃」を意味し、軍や政権の一部が武力を使い、非合法に政権を奪うことです。

タイでは1932年の立憲君主制への移行から未遂も含めて計18回のクーデターが起きていて、今回で19回目となります。タイは歴史的に軍の政治力が強く、政治が混乱するたびに軍が表舞台に立ちクーデターを起こすという歴史を繰り返してきました。

タイ軍は実質的に国王の軍であることから、王室が水面下で動いていたのではないかと思います。

クーデターによって、タイ全土は午後10時から翌午前5時までの夜間外出禁止令が発表されました。シーラチャーでも、セブンイレブンも夜10時には電気が消えました。

また、今は解除されましたがクーデター後、テレビ局、ラジオ局が軍に統制されテレビは静止画像になりました。

写真はその時の静止画像です。

「National Peace snd Maintaining Council」という文字と軍や警察の紋章が並んでいます。
タイ人に聞くと、紋章の真ん中がタイ全軍、その左右と左端が陸軍、海軍、空軍、右端が警察を表しているとのこと。

ようするに、軍と警察で構成する「国家平和秩序維持評議会」が国家運営にあたるとの意思表示ですね。一時インターネットも規制されるとの噂もありましたが、問題なく使えています。

ただ、なぜかNHKがいまだに復活しないので、ニュースや朝の連ドラが視れないのが個人的には痛いです。タイの政情不安は農民や貧困層が支持すタクシン派(赤組)とエリート、富裕層(黄組)との対立に起因します。

バラマキのタクシン派には選挙で数の力で勝てない、だから反政府派のデモや軍のクーデターで現状を打破する。これで民主主義国家と言えるのでしょうか!?

タイ経済は以前にも増して悪くなることが懸念されます。
クーデターをきっかけに良い方向に転じてくれれば良いのですが、今のところ不安材料だらけですね。

ほんと、「責任者出て来い!」と言いたい。

2014年5月26日(月) 長井