業界情報をお届け!視界RYOKO

タイ雑感 (No.82) 聖なるガンジスの夜明け

ASEAN RYOKO

今週もしつこく、インド訪問編「第4弾」です。
インド入国初日のドタバタから、翌日からはMさんのアテンドもあり、旅は順調に進んでいきました。

Mさんのご自宅を出発し、コルカタのカーリー神を祀るカーリー寺院、ダッキネッショワール寺院をまわった後、空港からヴァラナシへ飛行機で移動。

ヴァラナシ空港からガンジス川のガート(沐浴場)の直ぐ側にあるホテルまでは、空港で頼んだプリペイド・タクシーで約1時間半かかりました。

Tata製の車はガートまでのでこぼこ道を快調に走り出しましたが、途中エアコンが故障して暑いの何の。仕方なく窓を全開にすると、土埃と排気ガスが容赦なく飛び込んでくるので、少し目が痛かったですね。

30分くらい走ったでしょうか、ガートが近づいてきたのか、集落らしき場所に入りました。

インドはどこでもとにかく人が多い。
いたるところに人、人、人。ついでに牛や山羊、馬、犬、猿、鶏・・・。

ここは動物園かと突っ込みを入れたくなります。道の悪い、狭い道路に人、人、人、車、バイク、リキシャがごちゃまぜの状態で、時間帯が夕方だったこともあり、当然渋滞になるわけです。

そこを掻き分け、掻き分けようやくホテルにたどり着くと、すでにあたりは薄暗くなっていました。寺院を改造したというホテルはこぢんまりした清潔な宿でした。

ホテル内で夕食をとりましたが、インド伝統の民族楽器の演奏が聴けました。シタール(ギター)、タブラ(太鼓)は知っていましたが、サーランギーという楽器は初めてでした。(シタールはビートルズのジョージ・ハリスンが愛用していたことで比較的有名です)

サーランギーは弦楽器の一種で奇妙な形をしています。弓で弾くことからチェロのような感じですかね。この楽器は習得が相当難しいらしく、インドではサーランギー奏者は地位が高いとされているようです。

サーランギーを演奏していた若者はなかなかのイケメンで、携帯カメラを向けるとカメラ目線というかこっちを睨んでいます。インド人は顔の彫りが深いので男前が多いのです。

残念ながら室内が暗かったのでイケメン写真はボツ。
イケメン好きの方ごめんなさい。

演奏を聴きながらの楽しい夕食も終わり、夜のガートを少し散策し、明日は早起きなので早めに就寝。(Mさんはその後一人で怪しげな街を徘徊していたようですが・・・)

さて、翌日早朝 5:00、日の出を見るためにガンジス川に向かいました。夜明け前の暗い中、人の気配がしてガンジス川の方向を見ると、多くのうごめく人影が。

聖なるガンジスで沐浴をするために、インド各地から集まった人々で賑わっていました。

早朝が涼しいという理由だけでなく、聖なる地で朝日とともに沐浴をすることが、ヒンズー教徒にとっては特別な意味があるのかも知れません。

約25年前、沢木耕太郎さんの「深夜特急」を読み、ヴァラナシ(当時はベナレス)のガートの光景に、いつかは訪れてみたいと思っていましたが、今回ようやく実現したわけです。

タイに戻り、知人に「ガンジスで何か感じた?」と問われ、「・・・・・。」言葉に詰まりました。自分でも何かを感じるのではと思っていましたが、正直何も感じなかったのです。

ただただ、沐浴する人々が繰り返す不思議な光景をボーッと見つめていただけでした。考えてみれば、私自身信仰心も薄く、今までたいした苦労もしていません。

ガンジスで何かを感じたいなんて、所詮上辺だけだったのかも知れませんね。
自分自身の浅はかさ、愚かさに苦笑してしまいました。

でも、もう一度訪れてみたい場所です。
次回はもう少しゆっくりと長く。

2013年5月13日(月) 長井