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ものづくりQ&A <34> 「熱処理とは?その2」

ものづくりQ&A

今回は「焼ならし」についてご紹介致します。
焼ならしの目的と種類については次の項目があげられます。

(1)目的
加工による組織の不均一を除去し、結晶粒を微細化させ、鋼を標準状態の組織とし、機械的性質の向上機械加工性の向上など目的として行う熱処理です。

(2)種類
1)普通焼ならし
2)二段焼ならし
3)等温焼ならし
4)ダブル焼ならし

鍛造や鋳造、圧延などによって造られた鋼材は、過熱異常組織や炭化物の部分的凝集、結晶粒の粗大化及び不均一なものが多く、このような鋼材について、結晶粒を均一に微細化し機械的性質を向上させ、また、機械加工性などを改善する目的で行う熱処理を「焼ならし」といいます。

つまり、鋼材の金属組織を標準状態にする処理である。
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図1に示したように1)、A3又はAcm点以上50℃程度高い温度に加熱して、オーステナイト一相としたのち大気中で放冷(空冷)を行います。

この時変態点を上下することによって繊維組織は消失し、過熱組織や鋳造組織が改善され、また、冷却によって結晶粒が微細化すると共に硬く強く、伸び、絞り性の良い微細なパーライトが得られ、残留応力も除去されるのです。

参考文献
1) 日本熱処理技術協会編;熱処理ガイドブック基礎編、大河出版(1983)P110

次回は「焼入れ」についてご紹介致します。