歌詞からみる電話の進化
今海外で日本のシティーポップが人気のようです。
シティーポップとは、「1970年代後半から1980年代にかけて日本で制作され流行した、ニューミュージックの中でも欧米の音楽の影響を受け洋楽志向の都会的に洗練されたメロディや歌詞を持つポピュラー音楽の呼称」だそうです。
有名どころでは、山下達郎、大瀧詠一、竹内まりや、荒井由実、角松敏生あたりですね。
個人的には尾崎亜美もその中に入ると思います。
そういうことで、尾崎亜美繋がりで10年以上前に書いたコラムを紹介したいと思います。
今はスマホが当たり前になり、電話というよりも超小型携帯コンピューターに変貌。
なにせ、2010年に書いたコラムですので少し時代がかっていますがお許しください。
(2010年6月7日 長井記)
先日、中古CDショップで尾崎亜美のCDを購入しました。
尾崎亜美といってもマイナーなので知っている人は少ないかも知れませんが、松田聖子や高橋真梨子など多くの歌手に楽曲を提供しているシンガーソングライターの一人です。(たまにTVに出てますよ)
昔ヒットした杏里の「オリビアを聴きながら」も、もともとは彼女の作品です。
アルバムの中で「マイ・ピュア・レディ」という曲の歌詞の一節が妙に気になりました。
(歌詞の一節)
「ダイヤルしようかな?ポケットにラッキーコイン。ノートに書いたテレフォン・ナンバー」
この歌詞に違和感を持たない人はきっと昭和の人です。もちろん私もその一人ですが、冷静に考えると今の電話の使われ方とずいぶんと違っていることがわかります。
それでは私の独断と偏見でこの歌詞を少し検証してみます。
まず、「ダイヤル」の部分。今ではダイヤル式の電話機は博物館でしか見ることができないのでは?
現在の固定電話や携帯電話はプッシュ式が当たり前で、携帯にいたってはタッチセンサー式も増えてきました。話題のスマートフォンのiPhoneやエクスペリアなんかはキーボードすらありません。メモリー登録してあればワンタッチで即発信。
ジーコジーコとダイヤルを回す必要もないし、ピポパピポと番号をひとつひとつプッシュすることもないのです。めんどくさくなく、便利になったものです。
次に「コイン」の部分。多分、主人公は外出先で好きな人?のことを想ったのでしょう。
そこにたまたまポケットに10円玉が。
「ラッキー!恋が実るかも・・・うふふ」
この後、彼女は数枚の10円玉を握りしめ、公衆電話ボックスに駆け込んだのでした。(まさかタバコ屋の前の赤電話・・・・?)
ところが、今では街中の公衆電話はめっきり少なくなり、順番待ちでけんかする人もいなくなりました。若者でコインと電話を結びつけて考える人はまずいないでしょうね。(あってもテレフォンカードですし)
最後のフレーズは、「ノートに書いたテレフォン・ナンバー」。ノートというところが時代を感じます。もちろん今は携帯なのでテレフォン・ナンバーはメモリーされ、電話帳を持ち歩くこともありません。
私はかつて電話番号を覚えることを得意としていましたが、メモリー機能のおかげでその能力はすっかり衰えてしまい、今では自宅の電話番号や自分の携帯番号を忘れそうになることもあります。(歳のせい?)
携帯電話の登場と進化により、この20年ぐらいで時代は大きく変わってしまいました。
ところで、この歌詞を今風に変えるとしたらどうなるでしょうか?
「メールしようかな?即レスないとつらいかも・・・・・」ムムム、後が続きません。
どうやら、私には作詞の才能はないようです。(残念)
それから10年、もっと進化していますし、これからも進化し続けるでしょう。
着いていくのが大変です(笑)
(2022年8月3日:長井)