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ASEAN RYOKO (No.9) タイプラスワン候補のカンボジア・・・ですが

ASEAN RYOKO

先日、TV東京の「未来ジパング」という番組を視ていると、カンボジアのココンに進出した日系企業が紹介されていました。
(タイの私のアパートは幸運にもインターネットで日本の民法TV局が映ります。違法かな?)

本社が広島のこの会社は既にタイに進出されていますが、昨年タイのサテライト工場として、タイとの国境にあるカンボジアのココンに新しく工場を建設されました。

私は1年前に工場建設前のこの会社を訪問しました。
この時の様子は本コラムでも紹介したことがありますので、覚えておられる方も居るかも知れません。

早速、TVで視たことをM社のTさんにメールをしたところ、すぐに返事が返ってきました。
その一部を紹介します。

 

カンボジアの若い子たちは可愛いですよ。
僕たちは何も悪いことをしてないのに、なぜこんなに貧しいんだろう。
うちのカンボジア人スタッフが不幸な歴史をなげいていました。
あ、ひとつ長井さんに言ったかどうか忘れたんですが、このココンの国境のこと。
どこが国境線なんだろう、このコンクリートの裂け目かな、などと話されてましたね。
そうじゃありません。
実はここの国境線は確定されてないのです。
少なくともカンボジア人は認めていません。
オレのばあちゃんが子供のころは、ずっと向こうまでカンボジアの領土だったんだ。
カンボジア人は国境のタイ側ゲートのはるか先を指差しながら、そんなことを言います。
今はタイと問題を起こしたくないので黙ってるけれど、いつかきっと取り返してやる。
そんなことを考えてるのかもしれません。

 

Tさんの返信メールを読んで複雑な気持ちになりました。
タイプラスワンとして注目されるカンボジア、長く続いた内戦の傷は大きくまだまだ貧しい国です。

TVのインタビューでTさんが答えていました。
「朝ご飯を食べてこない(貧しくて食べれない)ワーカーのために、会社が朝ご飯を用意することにした」と。

操業開始当初、空腹で仕事中に倒れる人が出たらしいです。
食べたくても食べられない。

こんな経験が皆無の中で育ってきた私はなんて幸せなんだろうとしみじみ思いました。

写真は1年前、ココンの朝市で見かけた少年です。目がまったく笑っていません。

また、近々カンボジアのココンを再訪したいと思います。

2014年3月3日(月) 長井