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ASEAN RYOKO (No.11) タイ7兆円の目玉政策頓挫か?

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昨年末からデモ騒動に端を発し、未だに続いているタイの政情不安。
バンコク、スクンビット通りの主要交差点のデモ隊封鎖はようやく撤去されたものの、シーロム近くのルンピニ公園に移動、集約されただけで、未だにデモ隊は居座ったままです。

写真はサイアム駅前に居たデモ隊のおじさんですが、カメラを向けるなと怒られました。

このおじさんも今はルンピニ公園に移動したのでしょうか?

反政府派の目的は現インラック政権(タクシン派)を打倒することですから、インラック首相が退陣するまではこの騒動は続くと思われます。(政権が変わっても同じような気はしますが・・・)

そうこうしているうちに、3/13付読売新聞朝刊に「タイ公共事業費借り入れ違憲」との見出しが。インラック政権の目玉政策の一つだった大型公共事業が頓挫するという。

昨年11月に国会で成立した向こう7年間の大型公共事業に用いる総額約7兆円の借り入れ法案を憲法違反だとタイ憲法裁判所が判決を下したとのこと。

高速鉄道や道路整備など、景気刺激策として期待のあった各事業は実現の見通しが立たなくなってしまいました。

クルンテープトラキット紙によると、裁判所は違憲判決の理由として、

①借入期間が次期政権に及んでいる。
②運輸省の計画であるにもかかわらず、財務省が借り入れの権限を持つことになっている。
③国会での法案採決の際に不正があり、法案そのものが要件を満たしていない。

と結論付けた。

今頃なにを言っているのでしょうか。これは反政府派ぐるみのいやがらせではないのか。
年内に入札が予定されていた高速鉄道建設で日本の新幹線も売り込みを目指していたが、今回の判決で計画は大幅に遅れそうです。

いったいタイの政治経済はどうなっていくのでしょうか?
「責任者出て来い!」このせりふ、いささか古かったですね。

2014年3月17日(月) 長井