ものづくりQ&A <32> 「切削油とは?その2」
ものづくりQ&A
今回は冷却作用と溶着防護作用についてご紹介致します。
【冷却作用】
切削作業を進めるにあたりその仕事量はほとんどが熱に変換されます。その為に切削点付近の被切削材は膨張しておりますので加工精度を下げる原因となっております。
そこで被切削材と工具、及び工具と切り屑で発生する摩擦熱や剪断熱などを効率よく吸収し冷却すれば加工精度は必然的に向上し効果があらわれます。
また、切削点付近の温度を下げることは工具の合金化を抑え或は軟化を防ぐ為、寿命を大幅に伸ばすことが出来ますので効果は絶大です。
但し断続切削(フライス加工)などで熱伝導の悪い工具を使用していると冷却効果が大きくなり繰り返しの熱応力が発生し工具寿命を短くする作用もありますのでその点には注意が必要です。
【融着防護作用】
被切削材と工具との間に介在することで工具と切り屑の間の溶着を防ぎ、また構成刃先の発生を防ぐ作用があります。仕上面の粗さの悪化や寸法精度のバラツキなどを防ぐ効果が有ると言われております。
次回は熱処理についてご紹介致します。