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ASEAN RYOKO (No.41) アジア庶民の足がエコの壁

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以前、コラムでタイの庶民の足として、「トゥクトゥク」(三輪タクシー)を紹介したことがあります。

(写真はシーラチャーの生鮮市場前に停めてあった「トゥクトゥク」)

実は庶民の足としての三輪自動車は、タイだけでなくアジアの国々で欠かせない存在です。インドでは「オートリキシャー」、フィリピンでは「トライシクル」、インドネシアでは「バジャイ」と呼ばれています。

三輪タクシーの人気の秘密は低料金と機動力にあります。狭い道路を縦横無尽に走り、渋滞時でも車列をかいくぐり先を急ぐことができます。最近はその機動性はバイクタクシーに譲るものの、四輪車よりも小回りが効くのは間違いありません。

10/22付日経新聞に、この庶民の足に逆風が吹き始めたとの記事が掲載されていました。
何のことかというと、現在新興国でも騒音や排ガスが問題視され、環境面での規制も強まっているため、三輪自動車メーカーは将来の存続をかけ、環境対応型に維新した三輪車の開発など新たな取り組みが始まっているとう言う。

タイでは2000年代以降は環境、交通渋滞対策で台数が激減、今は新たな登録は打ち切られています。そのせいか首都バンコクでは見かけることがめっきり減りました。

でも、シーラチャーではメインの移動手段ですが・・・・。

アジアの三輪自動車はもともと、戦後日本で大ヒットしたダイハツ工業のミゼットが持ち込まれたのが始まりとされます。道路などインフラ整備が進まない中、長く重宝されてきました。今はインドのバジャジ・オートが年間80万台を生産していますが、市場は頭打ちで環境規制も厳しい。フィリピンでは三輪車の電動化計画が進み、日本のベンチャー企業「テラモーター」が計画への参加を表明したようです。

トヨタやベンツ、ルノーなど自動車会社大手も「街乗り車」的な超小型電気自動車の開発を進めています。その中には三輪車も含まれると思いますので、近い将来、アジアの街でトヨタのロゴが付いた電動三輪車を見かけることになるかも?

しかし、小奇麗になった「トゥクトゥク」や「オートリキシャー」はどうも想像できませんが・・・・。
その頃は「庶民の足」という言葉は死語になっているかも知れませんね。

以上

2014年10月27日(月) 長井