はじめての工場見学で知った、ものづくりの匠の技
はじめまして!4月から入社した新入社員です。
先日、初めて仕入先の工場を訪問し、実際のものづくりの現場に触れる貴重な機会をいただきました。パイプの曲げ加工や溶接、塗装といった一連の工程を間近で見ることで、日頃当たり前のように扱っている製品の「背景」にある技術と努力を知ることができました。
■まずはプレス加工
特に印象に残っているのは、鉄板をプレス機で曲げる工程です。機械で一気に仕上げるのかと思いきや、実際には角度を測りながら微調整を重ねていく繊細な作業が行われていました。その慎重な姿勢からは、「精度」がいかに大切かを実感しました。
■複雑な曲げ加工
鉄パイプの曲げ加工は専用の金型を用いて半自動で行われています。1本のパイプに5、6か所施されるものもあり、しかも曲げRが全部同じではありません。見た目にはシンプルに見える製品でも、その裏側では数多くの金型と高度な技術が支えていることに驚かされました。
■職人技のビーディング加工
また、「ビーディング」という加工も見学しました。これは油圧配管に使われる技術で、パイプの端を膨らませることでチューブをしっかり止めるためのものです。この膨らみを均一にするために、職人の手による丁寧な作業が求められるとのこと。機械だけでは出せない“手の感覚”の重要さを改めて認識しました。
【ビーディング加工前】
【ビーディング加工後】
上図のように赤枠部分が膨らんでいることが分かります。
■製品の“顔”塗装
見学の最後に案内していただいたのは、製品の“顔”とも言える塗装工程でした。ここでは、刷毛やスプレーを使って、一つひとつ丁寧に塗料が吹きつけられていきます。ムラが出ないよう、職人の方々が慎重に手を動かす様子はまさに熟練の技。仕上がりの美しさだけでなく、製品の品質や耐久性にも関わる重要な工程であることを実感しました。
塗装後はしっかりと乾燥させ、傷がつかないよう丁寧に梱包されて出荷されます。こうして、私たちが扱う製品は多くの人の手と時間を経て、お客様のもとに届けられているのだと改めて気づかされました。
今回の見学を通して、普段の業務では見えにくい製造現場の「熱量」や「職人の技」に触れることができ、自分がこれから関わっていく仕事に対して、より深い敬意を持つことができました。今後も、現場を知ることを大切にしながら、ものづくりを支える一員として成長していきたいと思います。